愛と細胞と潜在意識の関係性(ブルース・リプトン博士) | ヒプノセラピーのアンダーセンス
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愛と細胞と潜在意識 

愛と細胞と潜在意識

愛の生物学   

愛と細胞と潜在意識

私たちの細胞が愛の重要性について伝えてくれることとは?

細胞がどのように心の奥深い秘密を守っているか、ブルース・リプトン博士とデボラ・サンデラ博士が明かしてくれました。

私達の細胞は愛とどういう関係があるのでしょうか?分子生物学と恋愛はさほど縁があるようには思えませんが、「思考のすごい力」のベストセラー作家で2009年に五井平和賞を受賞した幹細胞生物学者、ブルース・リプトン博士によると、「ハネムーン・エフェクト(新婚効果)」と博士が呼ぶほど深い縁のようです。

ほとんどの人が恋愛相手に「ぞっこん夢中」になったことがあるのではないかと思います。この人生の甘い時期には、私達の世界観が拡張し、目は喜びにキラキラ輝くとリプトン博士は指摘します。私達の愛情は恋愛相手のみではなく、人生そのものにまで及び、それが表面に現れるのです。

新しい食べ物や活動、服などを試すことを厭わなくなります。それまで以上に耳を傾け、分かち合い、楽しいことにもっと時間を割くようになります。昨日は不利で厳しく思われた状況が、今日は地上の楽園のごとく思えるのが恋愛というものだとリプトン博士はクスッと 笑います。昨日は無性にイラついた無謀な運転手には気づきもせず、今日は夢想とラブソングにふけっているのです。

愛の波動

驚かれるかもしれませんが、私達の細胞一つ一つがその人のミニチュアのように振る舞うとリプトン博士は言います。私達の中で、50兆の微細な人間のような細胞が協力し合っているのです。隣同士の細胞がお互いを助け合いながら心臓を動かし、肺呼吸をし、その他体内で必要な数百万ものプロセスを行なっています。私たちが「恋愛中」の時は、私達の細胞も恋愛の波動を持っているのです。ステキな話ですよね!

リプトン博士によると、全ては生命から始まり、生命は動きにより定義づけされているそうです。生命の主要要素であるタンパク質は、有機的なワイヤー構造に容易にくるまって環境からのシグナルに反応して動きます。細胞の表面では、受容体タンパク質がシグナルを受けると、エフェクター・タンパク質が振動に変換して脳へ送り、そこで解釈されます。誰かに「ぞっこん夢中になっている」時と「イラついている」時で、これらのタンパク質の構造がどのように動くのか、その動きに違いがあるであろうことは想像に難くないでしょう。誰でも経験があるはずです!

80年代に、細胞膜が細胞の脳であるということをリプトン博士が発見をした時、愛であろうが他の感情であろうが、その環境からのシグナルが病気を作る主要因であることをこの画期的な研究結果が示唆しました。今日の最も重要な研究分野の一つであり、細胞の化学反応がいかに遺伝子のスイッチの入切をするのかを探求する科学であるエピジェネティクス(後世遺伝学)を予見していたのです。

遺伝子発現を制御している化学物質のスイッチを起動するのは、ストレス、食事、行動、毒性物質、そしてその他の要因であることが、この分野の研究から分かっています。環境の方が遺伝子よりも病気の発生に影響しているということをこの新しい研究分野が明らかにしているとリプトン博士は言います。新しいガンの研究では、遺伝子要素が病気の発生に関わっているのはたった1割と示唆しているそうです。つまり、健康の9割は私たちの環境認識次第ということなのです。

認識の力

さらに興味深いことに、リプトン博士によると、現在の研究では化学物質のシグナルよりも非物質的なシグナルの方が私たちのタンパク質構造をより活性化・起動できることを示しているとのことです。つまり、薬よりも私たちの環境認識の方がより強く健康に影響しているということです。故に科学が私たちに伝えようとしていることは、病気を治癒する能力は薬局よりも私たちが生まれ持った能力の方が高いということなのです。

興奮した声でリプトン博士は話します「これはつまり!人は、過去に考えられていたような遺伝子の被害者ではないということです。認識を変えることで、健康も変えることができるのです。これはワクワクしますね!今までの生物学では、選択肢を奪って結果をコントロールしていました。あなたは被害者だよと人に伝える時、その人の持つパワーは下がってしまいます。これからは、人が自らの認識を変えるそのサポートすることで、結果を変えることができるのです。」

それはどういう仕組みなのでしょうか?「細胞は本質的にはデータ「チップ」なんですよ」とリプトン博士は言います。私たちの知覚記憶や信念は細胞膜に保存され、常に脳に送られて解釈されています。信じていることと現実の辻褄を合わせることで、心はこれらの振動のメッセージに反応します。つまり、細胞が心に送信すると、心は熱心に働いて、身体に同じ化学的現実を作り上げるのです。そのため、病気になるだろうなとあなたが信じれば、あなたの心は細胞をコーディネートしてそれを現実化するのです。また、あなたは活気に溢れていて健康だというシグナルを細胞が送信すれば、あなたの心はまた、それを現実化すべく働くのです。

同じ家庭で育った養子が、遺伝的には異なるにもかかわらず一緒に育った兄弟と同じ傾向で癌になるということからも、この認識の力はすでに証明されているとリプトン博士は言います。

潜在意識へのダウンロード

事実、「家族の様々な信じ込みが子供の潜在意識にダウンロードされる最初の6年間に、病気の種が植え付けられると医学は認めている」とリプトン博士は言います。この時期、子供達の脳は主にシータ波の状態であるため、入眠時の精神状態にあります。このトランス状態がゆえに、子供達は現実と空想の境界線がぼやけているのです。トランス状態で動いているため、幼い子供達は両親の信念や思い込みを容易く、疑いも判断もなしに潜在意識の記憶に吸収してしまうのです。

これらの潜在意識へのダウンロード現象を、リプトン博士はiPodを例にとって説明します。新しいiPodを手に取る時、そこには何のデータも入っていないので、何も再生することはできません。曲をメモリにダウンロードして初めて、その曲を再生することができます。しかも、ダウンロードした曲しか再生することはできません。他にも曲の選択肢は数多くありますが、iPodにダウンロードしない限り、再生できないのです。同じように、私たちの潜在意識の記憶にダウンロードされて細胞に保存されたものしか、身体で体験することはできません。

信念や認識として潜在意識にダウンロードされる以外に方法はないのです。だからこそ、他の概念に出会ったり、新しい信念を意図的に植え付けたりしない限り、自動的に両親の信念をそのまま行動してしまうのです。

愛と生命力へのシフト

一番の問題は、自分の気持ちや信念はそう簡単に変えることはできないと皆思っていることだとリプトン博士は指摘します。自分の心は変えることができて、それによって身体も変えることができるということを6歳までに子供達に教えることができれば、愛と生命力に力を与えるというシフトがもっと容易くできるとリプトン博士は提案します。

細胞生物学は身体的な愛についてだけ教えてくれるのではなく、人間関係の性質についても明らかにしているとリプトン博士は言います。ビオミミックリー(生物模倣)というもので、問題を解決するために自然界での最良のアイディアを活用するという生物学における新しい分野です。動物や植物、微生物はすでに何が効果的なのか見つけているため、そこから学ぶということです。存在してきた38億年もの期間を耐え抜いた様々な機能を彼らは実証しています。

リプトン博士の最新の著書「Spontaneous Evolution(思考のパワーー意識の力が細胞を変え、宇宙を変える)」の中で、彼と共著者であるべヘアーマン氏は、うまく機能するコミュニティーを作り上げるということにおいては、私たちよりも細胞の方が優れていると言います。細胞が作業の重要度に応じて他の細胞に支払ったり、また余剰利益をコミュニティーの銀行に保管したりする、いわゆる金融システムを著者は明らかにしています。テクノロジーを生み出す研究開発システムや、拡張性のあるコンピューターネットワークの生化学バージョンもあります。高度な環境システムが、人類が想像もできないほど技術的に進んだ空気や水の清浄機能を担っているのです。

「落ちこぼれ細胞を作らない」

冷暖房システムについても同様のことが言えます。細胞内そして細胞間のコミュニケーションにはインターネットが使われ、郵便番号付きのメッセージが個別の細胞に直接送られます。司法制度まで存在していて、破壊的な細胞を留置したり、投獄したり、リハビリさせたり、またはケボーキアン流に言えば、自殺ほう助も行います。私たちとは異なり、細胞にはフルカバーのヘルスケア制度があり、各細胞が健康を維持するために必要なものを確保し、また免疫システムがまるで献身的な自衛隊のように細胞と身体を守ってくれます。

人の身体に存在する50兆の細胞が個人の成功のためにに協力し合う状況は、70億人の人々が地球の成功のために協力し合うのと似たようなものだという興味深い例えをリプトン博士は挙げて、細胞ほど私たちは良い仕事ができていないと指摘します。

私たち一人一人の心は一つ一つの細胞と同様、全体の集団意識に比べればはるかに気づき(認識)の度合いが低いことをリプトン博士は強調します。一つの細胞がその進化を遂げるとき、他の進化を遂げた細胞と集まってコロニーを形成し、意識の持つ力を拡大させます。そこには「落ちこぼれ細胞を作らない」というポリシーがあり、細胞という資源を合理的に割り当てることで全体をサポートします。私たちの細胞のように、私たちもより高い意識レベルへ進化するために一致団結して動けば物事はうまくいくとリプトン博士は言います。彼は「人間の進化の次の段階は、私たちが皆、人類という超個体の中に存在する持ちつ持たれつの相互依存関係にある細胞であることを認識することに特徴付けられるだろう」と書いています。

自分の認識を書き換える

ただし、先ずは自分の裏庭の作業をする必要があるとリプトン博士。「私たち一人一人の進化を押し進めることで初めて集合意識も前進できるのです。」何度も何度も「ぞっこん夢中」の心理状態を作り出せるためには、自分たちの認識を書き換えて自分の人生を取り戻すことが必要と彼は促します。細胞記憶に新しい自信と愛をダウンロードできれば、自らの愛ある姿を歌う新しい素敵な曲を細胞が再生できると博士は主張します。.

リプトン博士は常に「恋愛」気分でいるための道を「地上の楽園を生み出す科学」と呼びます。科学はそのようなトピックについてすでに明らかにしているとも書いています。例えば、ハートマスの研究者は愛そのものの影響は本当に存在し、生化学的に計測できることを発見しました。「被験者が自分の心臓に意識を集中させて、愛、感謝、思いやりなど心の根底にある感情を思い起こした時、これらの感情によって即座に心拍リズムがよりコヒーレンス状態にシフトします。心拍のコヒーレンス状態が高まると、神経や生化学的現象の連鎖が起きて、ほとんど全ての体内の臓器に影響を及ぼします。

心臓のコヒーレンス状態は、逃走闘争のメカニズムである交感神経の活動を抑制し、同時に副交感神経の成長促進の活動を高めることで、より高い知性へと導くことがわかっています。」結果、ストレスホルモンが減少し、アンチエイジングのホルモンであるDHEAが産生されます。愛は本当に私たちをより健康、幸せ、そして長生きにしてくれるのです。

結局、分子生物学と愛は、実は最高にお似合いなカップルであることがわかったわけです。ブルース・リプトン博士は、細胞の上でタンパク質が興奮して愛に揺らいで踊っているような、この地上の楽園を常に体験し続ける方法を、私たちは学び、理解するべきだと促しています。

 

記事の原文はこちら By Dr. Bruce Lipton and Dr. Deborah Sandella on Sunday July 24th, 2016