ヒプノセラピー研究論文:テスト不安と学業成績ー大学生(心理学部) | ヒプノセラピーのアンダーセンス
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ヒプノセラピー研究論文:テスト不安と学業成績ー大学生(心理学部)

研究論文

前置き

国内外でのヒプノセラピーに関する研究のご紹介です。

催眠の研究は50年以上前から行われており、しっかりとした結果が出ているということをこれらの研究内容から知っていただければと願っています。

心身の症状には、潜在意識(感情や刷り込み)が影響していることが多く、よって潜在意識にアプローチすることで症状が自然と軽減されるということが見られますが、治療にとって代わるものではありません。

とはいえ、意識が身体に与える影響がどれだけ大きいか、心身を分けて考えることはできないということが明らかではないかと思います。

文献内容

ヒプノセラピーとテスト不安:2つの認知行動構成概念:大学生のテスト不安の軽減、学業成績の向上におけるヒプノセラピーの効果

Australian Journal of Clinical Hypnotherapy and Hypnosis, Vol 12(1), Mar 1991, 25-31 By: Marty Sapp, Professor, Department of Educational Psychology, University of Wisconsin-Milwaukee

APA PsycNet

概要

テスト不安並びに学業成績の向上における認知行動催眠術の効果を調査。入門レベルの心理学の学生44名は4回の催眠セッションを受け、ホーソン・コントロールの50名は同期間になんのセラピーも受けなかった。対象者の中間テストの結果、並びに Test Anxiety Inventory(テスト不安尺度)を調査した結果、催眠グループにはテスト不安の軽減、成績の向上が見られた。また、6週間後のフォローアップでも、この効果が保たれていた。

感想

前回の研究投稿はソフトウェアを活用したバーチャルヒプノの結果についてでしたが、今回は実際のセッションを用いた研究内容であり、また被験者の数も多いですね。

ホーソン・コントロールと書かれていますが、コントロールグループにはホーソン効果が使われたという意味と解釈しています。つまり、ホーソン効果(期待されていると感じることで良い結果を生むという心理現象)以外は特になんのセラピーも受けなかったということだと思います。

ということは、この研究においては、ホーソン効果よりもヒプノセラピーの方が不安の軽減、また実際の成績の向上に効果があったということになります。

この研究結果で注目していただきたい部分は、「6週間後のフォローアップでも、この効果が保たれていた」という部分です。ヒプノセラピーの特徴として、効果が見られるのが比較的早い、また効果が持続するということがあります。

ヒプノセラピーは協働作業です。ご自身がどうありたいのか、どういう結果を望んでいるのかをヒヤリングし、そのイメージに感情を紐付けて潜在意識にメッセージとして落としていきますが、これは種まきや苗の植え付けに似ています。

種を撒きっぱなし、苗を植えっぱなしで水やりを怠ったり、日にあてなかったりしたら、芽は出る可能性、苗が大きく育つ可能性はどうでしょう?逆に、マメに世話をしたらどうでしょう?潜在意識に落とした内容は、日々実践することで補強するということがとても大切になります。如何に実践するかによって、潜在意識に落とした内容が深く根付くか、日常生活で変化が見られるか、その効果が持続するかどうかが決まってきます。

しっかりと潜在意識に根づけば、それが新しい標準、当たり前になるので、逆にそう簡単に変わることはありません。

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