エピソード9 三日坊主、先延ばしは自分の味方? | ヒプノセラピーのアンダーセンス
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エピソード9 三日坊主、先延ばしは自分の味方? その1

三日坊主、先延ばしは自分の味方?

先月のエピソード5では、三日坊主や先延ばしの仕組みについてお話ししました。

わかっているけど続けられない・・・わかっているけど一歩が踏み出せない・・・達成したい目標がある時には、妨げ・ブロックになっていると感じますよね・・・でも実は、邪魔をしようとしているわけでも、目標達成を阻もうとしているわけでもありません。

全ては自分のため、自分を守るための言動なんです。どういうことか? ぜひ今回のミニ動画をご覧ください!

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3月は卒業の季節ですね。今月は、目標達成を妨げる言動からの卒業!というテーマでお話ししたいと思います。

先月のエピソード5では、三日坊主や先延ばしの仕組みについてお話ししました。
一歩踏み出したい、継続したいと顕在意識で思っていても、潜在意識に異なる動機付けやパターンがあると、数十倍大きい潜在意識が圧勝してしまう・・・ということです。
今日は、少し異なる観点からお話をしたいと思います。

わかっていても続かない、わかっているけど一歩踏み出せない・・・これらの背景にある潜在意識の動 機付けやパターンは、どこからきているのでしょうか?

これらは全て、ご自身の過去の経験・体験によるものです。
例えば、エクササイズをどうしても続けられない・・・という場合、もしかしたら子供の頃に、地域のバレーボールのチームに入ったけれど、上手にできなくて、みんなに笑われた・・・みたいな経験があったのかもしれません。または、鉄棒から落ちて大怪我をした・・・みたいなことがあったのかもしれません。

その記憶のイメージ、例えば鉄棒であるとか、バレーボールとか、そのイメージにその時に感じた感情が紐づいて、記憶として保存されます。その時に起きた出来事が、まるで録画されるように記憶されるわけではありません。一旦、この関連付けが潜在意識に落ちると、これがパターンとなって現れ始めます。

また、一度、嫌な経験をしたからといってそれが全て潜在意識に落ちるわけではありません。以前もお話ししましたが、顕在意識と潜在意識の間にはフィルターがあり、そこで潜在意識に落とす内容を整理しています。

このフィルターを通る条件がいくつかありますが、その一つがフィルターが作られる前の年齢、8歳から9歳ぐらいまでの間です。この時期は誰もが潜在意識剥き出し状態で、「スポンジのように」吸収する時期でもありますから、体験・経験した内容が潜在意識に最も落ちやすい時期と言えます。

2つ目が反復。似たようなことが繰り返し起きると、それは重大事項として判断されます。これは悪いことではなく、なんでも練習すると上手にできるようになりますよね。例えば初めて自転車に乗った時はバランスもうまく取れず、いちいち、まずはサドルに乗って、片足をペダルに乗せて・・・と考えていたと思いますが、一旦乗れるようになってしまえば、いちいち考えなくても自然に体が動くはずです。

3つ目は、顕在意識と潜在意識の間のフィルターがちょっとお休み状態になっている時です。代表的なのは催眠状態。人は睡眠に入る直前に催眠状態を通りますので、寝る直前に見たこと、聞いたこと、読んだことなどは潜在意識に落ちやすいです。また、逃走闘争本能が主導権を握る時、つまり、トラウマ的な状況では、フィルターが機能しなくなります。判断・整理している場合ではなく、本能で身を守るということが必要になると、フィルターはおやすみ状態になります。また、これらのトラウマ的状況は、当然、潜在意識に落ちます。

このようにして潜在意識に落ちた関連付けは、大きく分けて2つの形で現れます。一つは日常生活をより円滑に楽にするためです。ここでちょっと考えてみてください。洋服の脱ぎ着も、歯の磨き方も、顔の洗い方なども、ご自身のパターンができていて、考えなくても自動的に体が動きますよね?そして、例えば利き腕に怪我をしたりして、いつもと同じように洋服が着られない時、歯を磨けない時、顔を洗えない時、とても不便に感じますよね。そして、いつも当たり前にしていた行為を意識してするようになります。

もう一つは、自分の身を守ることです。過去に起きた嫌な経験は、乗り越えた経験でもあります。似たような状況にまた陥った時に、過去の経験に基づいた関連付けによって、警告をし、また身を守ろうとしているのです。先程のエクササイズの話に戻ると、例えば鉄棒から落ちた経験があった場合、「鉄棒=危険」という元々の関連付けがあったとします。幼い頃であれば、その出来事から「下手に体を動かすと危険」という関連付けに広がったのかもしれません。

三日坊主や先延ばし・・・などの言動パターンや感情は、今お持ちの目標に近づくにあたって、ブロックになっている邪魔者、克服したいことだろうと思います。

そして、克服することももちろん可能です。が、ここで知っておいていただきたいのは、これらのパターンや感情は何も自分に意地悪をしているわけでもなく、目標達成を阻もうという悪意でもなく、目的は唯一、自分を守るため、自分にまた害が及ばないようにするためだということです。

ですので、ご自分の目標に向かって進むのを邪魔している自分自身の言動に気づいた時、まずは、自分を責めるのではなく、こうやって身を守ろうとしているんだなと受け入れてみてください。そして、何から身を守ろうとしてその言動や感情が生まれているのか、ちょっと考えてみてはいかがでしょうか?

次回の動画では、どうやってご自身でこの関連付けを変えられるのか、マインドフルネスの観点も合わせてお話ししたいと思います。

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