エピソード20 アメリカのヒプノセラピー事情と相談内容トップ5 | ヒプノセラピーのアンダーセンス
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エピソード20 アメリカのヒプノセラピー事情と相談内容トップ5

催眠療法 ヒプノセラピー 記憶

日本ではまだあまり馴染みのないヒプノセラピーですが、海外ではここ数十年で認知度が上がり、ヒプノセラピーを利用する人が増えています。今回は、私がヒプノセラピーを学んだアメリカのヒプノセラピー事情について下記の内容をお伝えします。

  • 現状のキャンセル待ち事情
  • HMIでの無料セッションについて
  • ヒプノセラピーが受け入れられている理由
  • 現在の相談内容トップ5とそれらをどのようにヒプノセラピーで解決できるのかについて
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今日は海外でのヒプノセラピー状況、特にアメリカでどのようにヒプノセラピーが使われているかについてご紹介したいと思います。

残念ながら日本では、認知度も低く誤解も多いヒプノセラピーですが、海外ではここ数十年で認知度が上がり、ヒプノセラピーを活用する人たちが増えています。特に新型コロナが始まって以来、ストレスに起因する心身の不調を訴える人が増えており、私が学んだHMIで提供している無料セッションの申込数が爆発的に増えています。

私のメンターを始め、多くのヒプノセラピストが新規のクライアントを受け入れられず、既存のクライアントでも予約に数週間、数ヶ月待たなければいけないという状況になっているほどです。

ヒプノセラピーが受け入れられている理由、その際たる理由は他のセラピーに比べて効果が出るのが早いということです。

ウェブサイトにも記載していますが、以前アメリカン・ヘルスという雑誌に3種類のセラピーの成功率に関する比較研究が掲載されました。その内容は精神分析の場合は600回での成功率が38%、行動療法では22回のセッションでの成功率が72%、ヒプノセラピーの場合は6回のセッションで93%の成功率というものでした。

成功率が最も高いだけではなく、その成功率を出すためにかかったセッションの回数も考慮すると、いかにヒプノセラピーが効果が高く、また早く結果を出せるかということがわかると思います。
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その理由はシンプル。潜在意識に直接働きかけるからです。精神分析でも行動療法でも、顕在意識レベルでのセッションなので、何度も反復することで徐々に情報が潜在意識に落ちていって、最終的に定着しますが、ヒプノセラピーの場合は最初から潜在意識に情報を落とすことができるので、あとはそこから定着させるために日々の生活で実践していけば良いということになります。

また、ご存知のように私たちの言動の大半は潜在意識がコントロールしています。「頭ではわかっているけど」どうしても続かないとか、始められないというのは、顕在意識ではわかっていても潜在意識は納得していないということです。つまり、顕在意識と潜在意識の足並みが揃っていない、いわば顕在意識は右に進みたがっているけど、潜在意識は左に行きたがっているようなものです。その場合、9割方を占める潜在意識が勝ってしまうのは当然です。なので、潜在意識に直接情報を落とすことで、潜在意識と顕在意識の足並みが揃うと、つまり同じ方向を向くことで、行動に移しやすくなります。つまり、実践しやすくなるということです。

効果が出始めるのも早いですが、実践しやすく変化が定着しやすいわけです。
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さて、ヒプノセラピーがより受け入れられて一般的に利用されている米国では、どんなふうに活用されているのでしょうか?

私の母校のHMIでは、ヒプノセラピー、潜在意識について1年間かけて徹底的に学びます。プログラムの後半にはインターンシップも含まれており、一般の方から申し込みがある無料のセッションインターンが担当しています。

そこで、これらの無料セッションの目的にどんな内容・カテゴリーが最近多いのかを聞いてみました。これは統計ではなく、大雑把なイメージになりますが、次のような回答をもらいました。
- 伴侶、パートナーとの関係からくるストレス、
- 親に見捨てられた、親の薬物乱用などを含む幼少期からのトラウマ、
- 人生で行き詰まりを感じている、
- 自信のなさから自分のポテンシャルを活かすことができない
- 乱れた食生活、体重の問題など

では一つ一つ見ていきましょう。伴侶、パートナーとのストレスについてですが、ヒプノセラピーでは周りの人を変えることはできません。ですが、ご自身の見方、感じ方を変えることで、対応の仕方、自分の言動を変えることができます。

例えば、旦那さんに言われるとある一言で、いつもかっとなってしまう。などという場合、ある一言が引き金になっているわけですが、必ずそこには過去の経験に基づくパターンがあります。そのパターンを変えることで、その場で感情的にならなくてすむとか、売り言葉買い言葉にならずに、冷静に対話をすることができるようになるとか、ご自身にとって最も適したソリューションを見つ けることができます。

幼少期からのトラウマについてはどうでしょう?アンダーセンスでは退行催眠は行いません。退行催眠で出てくる内容が事実とは限らないというのは前回もお話ししました。これはすでに研究結果でも証明されており、特にアメリカでは、虐待などの問題も多く、退行催眠をすることで、加害者が記憶の中で作られてしまったというケースもあり、退行催眠は危険とされています。

ですが、退行催眠を使わなくても、幼少期の問題を解決することは十分可能です。何が起きたのかよりも、どのようなパターンが潜在意識に落ちているのか、どのようなイメージに対して、どういう感情や感覚が紐づいているのか、どのように自分を守ろうとしているかの方がはるかに大切だからです。トラウマに限らないのですが、相談内容の多くには、潜在意識が過去のリスクを現在まで持ち込んでいることが多いです。

単純な例を挙げると、子供の頃に犬に噛まれて以来、子犬でさえ怖くて近寄れないという状況があったとします。小さい子供の目線だと、犬も大きく見えますよね。噛まれたとすればそれは相当なショックでしょう。ですが、大人になって、子犬を見たときにそこに現実的なリスクはありますか?ほとんどないですよね?でも、潜在意識は過去の出来事から、まるで子供の頃にタイムスリップしたかのように反応してしまうのです。そこには「これは子犬、子供の犬だから、小さいから」というロジックはありません。とにかく「犬」というイメージに対して「危険、痛い、危ない」という感情や感覚ががっちり紐づいてしまっているからです。このパターンを変えることで、恐怖症を解決することができます。

人生で行き詰まりを感じている。これは、どの方向に進めば良いのか、どの方向に進みたいのかが見えないという問題や、達成したい目標はあるんだけど、足踏みをしているなどという問題が含まれます。そして、顕在意識のレベルで色々と考えても、なかなか答えが見つからなかったりします。というのも、今までの経験などから、ロジックで理詰めで「これは可能性が薄い」とか「これは難しそう」とか、「これは前失敗した」など、始める前から排除したり、判断してしまったりするからです。潜在意識に落ちている「思い込み」や「決めつけ」ている内容を変えたり、また、意識の9割方を占める潜在意識には予想以上に、さまざまな可能性やポテンシャル、リソースを秘めていますので、潜在意識にアプローチをすることで、他の可能性、他の方法、他の道が見えてくることが多いです。

自信のなさから自分のポテンシャルを活かすことができない。これは幼少期からのトラウマに似ています。というかトラウマほどではないけれど、過去の何らかの経験から自信を喪失してしまって、そこから先に進むことができない、自分のポテンシャルを活かすことができないということなので、やはり過去の経験や状態を潜在意識が現在に持ち込んでしまっているわけです。才能や実力があるのに自信がない、前に進めないというのが一例で、やはり潜在意識のそのパターン、紐付けを変えることで自信を取り戻したり、前に進むことができるようになります。

乱れた食生活、ダイエット、ヒーリングの促進、
食生活は「頭ではわかっているんだけど」がよく見られる領域ではないかと思います。「コーヒーを飲みすぎるのは良くないとわかってはいるけど・・・」「チョコレートを食べすぎているのはわかっているけど」誰しもが聞いたことがある、または言ったことがあるのではないでしょうか?

特定の食べ物、または食べる行為に対して、「美味しい」「満足感」「癒される」などというプラスの感情が紐づいているのは、ある意味普通ですが、ストレスを感じたときの対処方法として食べるというパターンが潜在意識に落ちていると、ストレス喰いという習慣がついてしまうことがあります。
このようなパターンを「対処メカニズム」と呼びますが、ストレスへの対処としての言動なので、無理やりやめようとすると、ストレスがさらに増えて逆効果になります。赤ちゃんも、いきなりおしゃぶりを取り上げたら、大泣きしますよね?それに変わるものをあげることが大切です。

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これは禁煙でも同じです。面白いことに、タバコを吸うことでリラックスできるという方が多いのですが、実はそれは勘違いです。タバコは興奮剤、刺激物ですので。ですが、タバコを吸うときは、普段の呼吸よりも大きく息を吸い、また吐きますよね?このゆっくりと吸って 長く吐くという行為が副交感神経を刺激するので、リラックスしているように感じるのです。ちょっとしたパラドックスですね。禁煙のケースでも、タバコが吸いたくなるトリガーとの紐付けを変えるということを行います。
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ということで、今回はアメリカでのヒプノセラピー、現在よく見られるヒプノセラピーの相談内容についてご紹介しました。幅広い内容に対応できるヒプノセラピー。ヒプノセラピーで対応できる100の相談内容のPDFをご用意しましたので、ご覧になりたい方は、問い合わせ、またはメールにてご連絡ください。

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