エピソード15 瞑想とマインドフルネスの違い | ヒプノセラピーのアンダーセンス
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エピソード15 瞑想とマインドフルネスの違い

瞑想 マインドフルネス ヒプノセラピー
  • 「瞑想」という言葉にはどういうイメージをお持ちですか?「マインドフルネス」という言葉はどうですか?
  • 瞑想することはありますか?マインドフルネスをすることはありますか?

瞑想とマインドフルネス、全く同じものだと思いますか?何が違うと思いますか?マインドフルネスは、もしかするとご自身がお考えのものとは違うかも?もしくは、一部?かもしれません。

気になったら動画をチェック!マインドフルネスの生い立ち、瞑想との共通点や違いなどについて説明しています。

動画の中で出てくるインタビュー記事の全文を読みたい方はこちら(英語のみ)

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瞑想という言葉は昔からありましたが、マインドフルネスという言葉が聴かれるようになってからも随分経ちましたね。でも皆さん、マインドフルネスが何なのか正確にご存知ですか?

というのも、私自身よくわかっていなかったんです。マインドボディ心理学を勉強し始めて、特にトランスパーソナル心理学を勉強して、やっと謎が解けました!ので、今日はその内容をお伝えしたいと思います。

マインドフルネスという言葉、そしてコンセプトはアメリカで生まれたものです。元々の仏教の考え方はいわゆる瞑想、英語ではメディテーションになりますので、まずはマインドフルネスについて。

マインドフルネスには2種類あるということ、ご存知ですか?なぜ2種類あるかというと、別々の人が異なるコンセプトに対して偶然にも「マインドフルネス」という言葉を使ってしまったからです。

最初にマインドフルネスという言葉を使ったのはジョン・カバット・ジンという方で、マサチューセッツ大学医学大学院の教授、20代の頃から禅やヨガを実践されていた方で、1982年に疼痛コントロール、痛みをコントロールする手法としてこの禅や瞑想の要素を取り入れたマインドフルネスを紹介し、患者さんに薦めました。このマインドフルネスは痛みだけではなく、不安や鬱、その他の問題にも効果があることがわかっています。こちらはいわゆるマインドフル瞑想、基本的に瞑想状態になります。

7年後の1989年、ハーバード大学の心理学教授、エレン・ランガーという方が、「マインドフルネス」という本を出版されたのですが、これは仏教の流れを汲む、カバット・ジン氏のマインドフルネスとは全く異なるコンセプトだったんです。

ランガー氏が唱える「マインドフルネス」は、瞑想ではありません。とあるインタビューのご本人の言葉を直訳すると2018年にこうおっしゃっています。「まず、瞑想は素晴らしいものです。私も瞑想の初期研究をしたことがあります。が、私が提唱しているものとはかなり異なります。瞑想とは、瞑想後にマインドフルになれるように行うことです。 過去40年間私たちが研究しているマインドフルネスとは、いわゆる継続的にその瞬間瞬間に気づく、そのあり方のような。何をしているかはそのプロセスになります」このインタビューの全文をお読みになりたい方は、下にリンクを貼っておきますのでご覧くださいね。

というわけで、マインドフルネスには、マインドフルネス瞑想と認知行動療法的なマインドフルネスとの2種類があるということになります。私が長い間マインドフルネスという言葉に混乱していたのも、これが原因でした。

さて、コンセプトが違うことはわかりましたが、じゃあ効果はどうなのでしょう?認知行動療法的なマインドフルネスは、基本的に顕在意識レベルで行います。現状、その瞬間に意識を向けて気づくというあり方です。活用方法の一例としてACT、アクセプタンスアンドコミットメントセラピーがあります。いわゆる認知行動療法の一つで、現状に気づき受け入れることから始まって、最終的に思考を変わることで行動が変わるという療法です。

次に瞑想について。瞑想にも色々な方法があると思いますが、基本的には呼吸や音、どこか一点を見るなどのことに集中にして、思考を休ませることから始まります。マインドフルネス瞑想の場合は、体に感じている感覚などにフォーカスすることが多いようです。そして何も考えないというよりは、空に浮いている雲が流れていくように、湧いた考えを流す、手放して、また音や感覚などにフォーカスを戻します。それを続けることで、瞑想の状態が深まっていきます。

瞑想状態に入るということは即ち、脳波がα波、θ波まで下がるということです。過去のブイログを以前から見ていらっしゃる方は聞き覚えがありますよね?催眠状態と同じです。脳波がα波、θ波の状態になるということは、つまり深いリラクゼーションの状態にあるということです。副交感神経が優位になりますので、ストレスを軽減することもできますし、顕在意識、思考をお休みさせることができるので、リフレッシュになって注意力が増します。ランガー氏が「瞑想後にマインドフルになれるのが瞑想」とおっしゃっているのはこの効果のことでしょう。

例えば、マッサージなどの施術を受けていて、寝落ちしたわけではなくて、寝落ちすることもあるかとは思いますが、そこまではいかないんだけど、気づいたら終わっていたみたいな経験はありませんか?あれは、割と深い瞑想・または催眠状態と言えます。寝落ちしてしまった場合は脳波がΔ波まで下がりますので、もはや瞑想でも催眠状態でもありませんが、リラックス状態には変わりありませんね。

因みに、私は瞑想が大の苦手でした。瞑想状態に入ることもできなかったですし、瞑想状態に入れなかったので、瞑想する時間が苦痛でしかたありませんでしたし、瞑想の何がそんなに良いのだろう?と常々不思議に思っていました。眠る直前や、マッサージを受けている間などの状態がいわゆる瞑想、催眠状態だったことも知りませんでしたし。私が初めて深いα波、θ波を味わったのはヒプノセラピーでした。

次回は、その体験と、また瞑想とヒプノセラピーの共通点や違いについてお話ししたいと思います。

瞑想、マインドフルネスは日頃からされていますか?どんなスタイルがご自身にとっては最も効果的と感じますか?どんなメリット、効果を感じていらっしゃいますか?ぜひ、コメント欄でシェアしてください。

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